酵素分解が味に与える影響

 酵素のお話の最後は、酵素分解が味に与える影響についてです。

前回までの3回で、なんとなく酵素は、人の身体が健康になることに大きな影響を与えていることはご理解いただけたでしょうか。

酵素のお話最後の今回は、すごい力を持つ酵素で食べたものが分解されると、味は一体どうなるのかというお話です。酵素は身体にいいけど、味が悪くなるということでは、皆さんにおススメするのも憚られてしまいます。ところが酵素によって分解されたものは美味しくなるんです。

麹菌に含まれている代表的な酵素をいくつか挙げて、味にどのような影響を与えているのか見ていきましょう。

麹の酵素が食物の分子をより細かく分解することで、人の舌は味をより強く感じることができるそうです。

たんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ。アミノ酸はうま味成分としても有名ですね。プロテアーゼで分解されたたんぱく質はアミノ酸になり、アミノ酸はうま味を感じるそうです。

でんぷんをブドウ糖に分解するアミラーゼ。こちらはブドウ糖ですので甘味を感じます。

脂質を脂肪酸に分解するリパーゼ。こちらはほのかな甘みとして感じます。豚肉などを食べた時に脂身から甘味を感じることがありますよね。

セルロース繊維をオリゴ糖に分解するセルラーゼ。こちらもオリゴ糖ですので甘味を感じます。

このことがわかると、甘酒は米麹と水だけで作っているのにどうして甘いのか、ごはんをよく噛むと甘みを感じるのはなぜなのかといった疑問が解決します。

麹菌を使った発酵食品は身体によいだけでなく、味も美味しくなるという一石二鳥の逸品です。みなさんも身近にある発酵食品を毎日少しずつ取り入れてみてください。ポイントは毎日コツコツ続けることです。

コメント

このブログの人気の投稿

カフェオープンを控えて、あらためて発酵食品について考える

醤油麹を使ったおかずレシピ

カミングアウト