ぬか漬けの中の酵母

 今回は、ぬか漬けのお話の第2弾!「酵母」についてお伝えします。

「酵母」というとパンを焼く時に使う酵母を思い出される方も多いと思います。

「酵母」とは真菌の一種で、糖を分解して二酸化炭素とエタノールを産出します。だからパンを焼く時に生地を膨らますのに使われるんですね。また、お酒のアルコール発酵にも欠かせない酵母。アルコールが排出されることにより、お酒のアルコール度数が上がっていきます。糖を分解してアルコールが産出されるため、アルコール度数は糖の量に比例します。

「酵母」の特徴として、酸素がある環境でも、酸素がない環境でも活動します。しかし、酸素がある環境の方が増殖しますので、日本酒造りでは仕込み中に酸素を取り入れる作業(櫂入れ)を行い、「酵母」を増殖させるそうです。逆にパンはアルコール発酵してしまわないように、生地から空気(酸素)を抜く作業をするそうです。

また菌は塩気を嫌いますが、この「酵母」は塩分濃度が高くても生息、繁殖できます。ぬか漬けの塩分濃度は一般的に約9~12%もありますが、酵母はしっかり働いています。

このように、人は紀元前の昔からパンやビールなどをつくるために「酵母」を上手に活用してきました。ぬか漬けも奈良時代にはあったのではないかと言われています。こんなに古くから人とのお付き合いのある、人にとって有用な菌だったんですね。

次回は「酪酸菌」についてお伝えします。

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