カミングアウト

 カミングアウト


なんだか仰々しいタイトルにしてしまいましたが、発酵が持つ力をみなさんと共有するためにお話しした方がよいかと思い、私の中では一代決意で今回のブログを投稿しました。



昨年11月に書いたブログの中でも既に、3年前に体調を崩してその時に発酵と出会って元気になったということをお話ししました。今回はもう少し掘り下げてお話ししようと思います。それは、私が体験したことをお話しすることで誰かのお役に立てればという思いがあるからです。


3年前に私が患った病は、適応障害でした。テニスプレイヤーの大坂なおみさんや女優の深田恭子さんもこの病気で苦しんでいましたよね。ご存じの方も多いのではないでしょうか。その頃の私は、都内に新幹線通勤をしていて、新幹線の始発で行き、終電で帰ってくるようなことも珍しくない生活でした。職場では年齢と共に責任が重くのし掛かり、まとめなければならないスタッフがどんどん増えていました。家庭では夫と話す時間もほとんどなく夫が何を考えているのかわからない状態。そして、実家ではガンを患っていた母に3度目の転移が見つかったりしていました。元来、大雑把な性格であまり悩まないタイプですが、流石に心も身体も限界で、ある朝涙が止まらずとても出勤できる状況ではなくなってしまいました。それから2ヶ月を休職しました。


最初は何もする気がしなくてただひたすら寝てました。家から出るのは病院に行く時だけ。その頃ジムでパーソナルトレーニングを受けていたのですが、キャンセルの連絡を入れる勇気がなくて取り敢えず決められた時間に行きました。でもそれまでのように身体を動かす自信もなくて、担当のトレーナーさんに病気のことを話しました。ちょっと…だいぶ勇気を出して。すると親身になって私の話を聞いてくれて、今の私の状況に合わせて、無理なくできるトレーニングメニューを提案してくれました。トレーナーがクライアントの体調に合わせるなんて当たり前のことかもしれませんが、その時の私はその事でだいぶ救われた感じがしました。そして、無理なく身体を動かせたことが、その後の順調な回復にもつながったと思います。実は2ヶ月の間に体重が10kgも落ちてしまったのですが、病的なげっそりした痩せ方をしなかったのもパーソナルトレーニングでフォローしていただけたお陰と感謝しています。


食欲が中々でなかったため、少しでも身体にもいいものを食べようと思い、何となく始めたのが甘酒でした。あとから知りましたが、甘酒は『飲む点滴』とも『飲む美容液』とも言われています。手軽に始められて栄養のありそうなもの、というくらいの認識でした。この頃、メンタルが影響してのことだと思いますが、便秘と下痢を繰り返していたこともあり、腸にも良さそうと勝手に思っていました。でも、しばらく続けると、体重の急激な現象が止まりました。これはいいと思い、他にも発酵食品はないかと考え、糠漬けにチャレンジしてみようと思いました。休職中で時間はたくさんあったのと、この頃は薬のお陰で睡眠が安定してきたため、ちょっと何かやってみたいという気持ちも出てきました。糠漬けを始めたことで野菜を食べられるようになりました。糠漬けは今でも私の精神的なバロメーターになっています。毎日のお世話が欠かせないものなので、そこに割く時間やエネルギーが低下すると糠漬けの味が落ちます。面白いですよね。


『脳腸相関』という言葉をみなさんは聞いたことがありますか。ひと言でいうと脳と腸はお互いに影響し合っているということです。例えば、緊張するとお腹が緩くなったりしませんか。頭で思ったことに腸が反応いしているのです。甘酒や糠漬けのお陰で、少しずつ食欲が出てきて腸が整い始めると、今まで重く感じていた身体が軽くなり、それと同時に心も軽くなって自分自身についてとか、これからの生活スタイルについてということを考えられるようになってきました。腸が元気であることが心も元気にしてくれたのです。


そして、休職していた後半になると、外にも出ないといけないという気持ちになってきました。通院の帰りやジムの帰りに地元の個人店のカフェによるようになりました。店主に話しかけてみると日常会話や、元々大好きだったコーヒーの豆知識を教えてもらえたり、その場にいる他のお客様とも会話が弾んだり楽しい時間をそこで過ごせたことも私のメンタルにとってはとてもよかったと思います。


私は中学生の時に小田原に引っ越しをしてきたのですが、思春期の転校生あるあるで、学校でいじめを受けていました。なので小田原は嫌いだったのですが、この病気になったお陰で小田原の人たちに助けてもらったという気持ちがとても強くなりました。


職場復帰してから、今後の生き方について考えるようになりました。私を食の面から助けてくれた発酵を他の人にも伝えたい、小田原の人たちに恩返しがしたいと思うようになっていました。


それから3年、今の私があります。3年前に病気になったことに感謝しています。そうでなければ今も新幹線で東京に通い、誰とも心を通わせる余裕のない毎日を送っていたことでしょう。そして発酵の素晴らしさも知らずにいたと思います。


だいぶ長い文章になってしまいましたが、これが発信できて良かったのか、悪かったのか、今の段階ではわかりませんが、一人でも発酵に興味を持ってくださり、ご自身の健康を考えるきっかけになってくれたら、私の願いが叶ったように思います。最後までお付き合いいただき感謝致します。みなさんのこれからが益々健康で主体的な人生であることを心から願っています。発酵を通してお手伝いできたら嬉しく思います。

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